「1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE」感想 FIREを語りながら、FIREを勧めない

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この本を手に取った人は、「お金持ちになりたい」、「会社をやめたい」、「好きな仕事をして、自由に生きたい」、そんな希望を持っている人が多いんじゃないかと思います。

この本は、タイトルにFIREってありますが、これをやればFIREできますっていう、いわゆる方法論がメインではないです。

私の思う、この本の結論は、「どう生きるか」といった人生哲学です。

お金の話を深堀していくと、必ず、あなたにとって、どういう状態が幸せなのか?という話になっていきます。

この本では、「人間の幸せ」とは、自分の得意な能力を活かして仕事をする=社会の貢献+他者とのつながり=個人の幸せ、ではないかと定義付けていると思います。

あらすじ

主人公は会社に行くのが嫌で嫌でたまらない、智也という若者。インデックス投資を毎月コツコツ続けて、いつかFIREして会社を辞めるのが夢です。この智也がある日出会うのが、100万回ならぬ、1万回生きてきた猫、小鉄です。

小鉄は1万回生きてきた猫生(猫の一生だから猫生)の中で、様々な人間の一生を見てきました。

その中には、FIREを達成した人間たちもいました。その小鉄が智也に言います、「このままじゃFIREできませんよ」。

さて、智也は嫌でたまらない会社員生活から、抜け出すことができるのでしょうか…?

私がこの本を手に取ったきっかけ

この本、最大の特徴は、著者のヒトデさんが20代で実際にFIREしているということじゃないでしょうか。私は駅の本屋で立ち読みして、著者はブログで収益月間2500万円、とか書いてあるのを見て、読んでみようと思いましたからね。ブログで2500万円って?!って前のめりになりましたさ。コツコツお金貯めて、投資して、20年とか長時間かかった末に、自由になるんじゃなく、若い状態で、会社勤めから自由になっていることに、憧れるわけですね~。

この本の魅力①FIREの実際がわかる

著者が実際にFIREしているので、その現実が描かれていることでしょう。

方法論がメインじゃないと言いましたが、本書ではFIRE達成するパターンを、ほとんど網羅しています。インデックス長期投資、極端な節約、FX投機、不動産投資、ブログ収益…、ハードワークを一年中こなしたり、生活を極端に切り詰めたり、難しいものばかり。その上、FIREできました!めでたしめでたし、、だけでもないんですよね。

FIREのその先を読むことができます。なんと、、FIRE失敗パターンも書かれてますよ。

え、FIREしているのに失敗するって、どういうことって感じでしょう?

この本の魅力②猫に品がある

迷えるニンゲンたち(=FIREに憧れる人間たち)の先生役を務めるのが一万回生きてきた猫、小鉄。この小鉄さんがね、まあ上品な喋り方するんですよ。基本敬語で、すごく丁寧に話してくれるんだけど、容赦ない事実を突きつけてくるんですよね。

猫なんだけど、教養に溢れた感じ。この猫が、「人間が幸福感を得るには、お金、自由だけじゃ足りないんですよ」って優しく教えてくれます。

感想

人間の幸せって、猫みたいに、起きたいときに起き、寝たいときに寝て、食べたいときに食べたいものを食べる、…ではない、ってことでしょうね。会社勤めに追われていると、そんな一日を過ごしたいときもあります。私も若い時は特にそうでしたよ~。一日中ゲームしたり。でも、休日一日だらだら過ごして、「あ~、今日なんにもしなかったな…」と虚しさを感じるときないですか?

私達人間は、何か、前に進んでいる実感が必要なんですよね。

本書は、FIRE後の、その先の生活を、もういまから始めようよ!っていう、FIREを語りながら、FIREを勧めないという、、なんとも新しい提案をしてくれています。

別にFIREって巷で言われているほど、良いもんじゃないよ~、無理してFIREを目指さなくても、あなたの生活は充実したものにできますよ、って言ってくれているみたいですね。

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感想②

少し前に、私が読んだ本「経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて 山崎元著」に、『人の幸福感はほとんど100%が「自分が承認されているという感覚」でできている。』と書いてあって、この本に通じるところがあるなあ、と。

前に進んでいる感覚、自己承認感、社会への貢献、このあたりが幸福感に関係してますね。

とはいえ、職探しについて、思うこと

主人公の智也は、仕事選びを誤っていた、とも言えます。だから仕事が嫌で仕方がない状況になっているわけです。

ま~自分が就ける職って、住んでいる地域とか、自分のスキル、学歴等から、限られていることも多いですよね。

本書の結論は、仕事をすることで人間は、社会に貢献できる=自己承認感を得る=幸福感を感じる、ということだと思うんですが、仕事選びっていうのは、もう永遠のテーマじゃないかと思うんですよ。

私はこの本を読んで、ただ、自分の「ついやってしまうこと」、好きな作業を仕事にってのはわかるんだけど、それが難しいんだよな~!職場環境もやっぱ大事じゃないの…って正直思っちゃいました。

ちょっとこの本の内容から離れますが、最近読んだ仕事選びに関する本、「科学的な適職 鈴木祐著」から、「最悪の職場に共通する8つの悪」を見てください。

  1. ワークライフバランスの崩壊(休日の業務連絡が普通にある、休暇中の仕事が当たり前)
  2. 雇用が不安定(急な解雇、収入や仕事が途絶える不安がある)
  3. 長時間労働(週41時間の労働)
  4. シフトワーク(日勤・夜勤を繰り返すなど)
  5. 仕事のコントロール権がない
  6. ソーシャルサポートがない(組織内の競争が激しすぎる、交流イベントがない、フィードバックの明確なしくみがない、管理職に任されている、各種休暇、補助金等「困ったときは組織が助ける」というメッセージがない)
  7. 組織内に不公平が多い
  8. 長時間通勤

どうです?いま勤めている会社に不満がある人は、複数当てはまっているんじゃないでしょうか?

ちなみに、私の勤めていた職場は、3、5、6、7、8が当てはまってましたね~。休み明けが憂鬱にもなるわ。

本書を読んで、仕事選びをやり直しみようと思った方は、上記の本もおすすめです。科学的にどんな職場が幸福感を感じやすいかを書いてあって、とても参考になります。

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